忘れていませんか、感染症対策のあり方を
“喉元過ぎれば熱さ忘れる”
新型コロナウィルス感染症の5類移行から1年以上が経過しました
今では、ほぼ普通の生活に戻り、感染症への警戒も緩んでいる感じです
もはやニュースで感染者数などが報じられることすらありません
人は、何かに直面しないと動かないことが多くあります
その何かについて、過去に苦い経験をしていたとしてもです
今ある目の前のことに集中してしまうのは、人間が持つ特性なんでしょう
でも、感染症のリスクは、目で見て分かるものではありません
周囲で発症したり、ニュース等で騒がれたりして、はじめて認識します
新型コロナウィルス感染の初期も同じような状況からはじまりました
この記事を書いている6月初旬は、梅雨になろうかという時期です
毎年、この時期になると、食中毒に対する注意が促されます
が、今年に至っては、聞き慣れなかった感染症が騒がれ始めました
”人食いバクテリア”
正式名称は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症です
昨今、感染者の致死率が30%という驚きの報道を見聞きするようになりました
ちょっとしたケガから感染し、半日で様態が悪化するケースもあるようです
また、ケガをした腕や足が壊死を起こし、切断した事例も多くあるとのことです
そのような症状があることから、”人食い” という言葉が使われています
この感染症は、他の人に感染する可能性があるとのことです
ただ、発症しない人もいるようで、まだまだ分からないことばかりのようです
参考サイト:厚生労働省「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」
このような話を聞いて、皆さんはどう感じた・思ったでしょう
新型コロナウィルスの話が出始めた頃のことを振り返ってみてください
家や職場など、慣れ親しんでいる場所における感染対策は万全でしょうか
多くのところでは、新型コロナの経験から基本的な対策を継続していることでしょう
でも、喉元を過ぎ去った熱さを忘れてはいないでしょうか
脅威がなくなったとの思い込みから、手抜きの対策となってないでしょうか
やったつもりだけで、効果を失っている対策はありませんか
食中毒が懸念され、新たな感染症の話題が出始めた今こそ、見直しの機会です
少なくとも、以下のようなことは事前に確認・準備しておくべきでしょう
- 感染防止のための行動基準
手洗い・うがいの確実な励行
マスク着用などによる感染させない態勢の維持
生活衛生や食品衛生にかかわる措置 ・・・など - 対策用備品の確認と準備
手指消毒用アルコール、不織布マスクなどの備蓄
体温計などの数量と作動の確認 ・・・など - 感染の疑いがある場合の処置要領
検温や体調のチェックと記録の要領確認
受診できる医療機関と連絡要領の確認
2次感染予防策の確認 ・・・など
新型コロナウィルス対策で行ってきたことを基準に確認と準備をしておくべきでしょう
また、人食いバクテリアなどの新たな脅威にも対応できることが理想でしょう
通所系・入所系の施設、グループホームや就労支援などの事業所は特に要注意です
人の出入りや接触が常に伴いますので、やるべき対策を講じておくべきでしょう
- 感染対策マニュアルの確認や見直し
- 利用者さんに対する注意喚起
- 感染防止に関する職員研修
- 不具合等を確認した際の是正
- 感染者(その疑いを含む)の発生を想定した対処訓練
何もやらず・やったけど足りなくて大惨事・大難になるよりは
やっておいて何もなかった・起こったけど小さく済んだという方がマシでしょう
喉元を過ぎた熱さを忘れることはあるでしょう
でも、熱くて苦しむことを思い出す・イメージすることは止めないでください
そして、大難を小難、小難を無難にする活動を継続するよう努めてください
感染症対策のあり方、絶対に忘れず・思い出していただきたいものです