ご近所付き合いに思うこと

私には、ご近所さんとのお付き合いが、とても大切との想いがあります

毎日ではないのですが、ご近所さんとの挨拶はするようにしています
というか、会えば、自然に挨拶をしています

特に話をするわけでもなく、特に親しいわけでもありません
お名前だって、しっかりと知っているわけではありません
他の場所で会っていても、気づかないと思います

その程度のお付き合いですが、それはそれで大切なことだと信じています


ご近所付き合いといえば、障害福祉サービス事業所における地域住民との連携というものがあります
国や自治体は、各事業所等における地域住民の理解を得るための取り組みを求めています

特に、利用者さんと地域住民が接する機会があるグループホームや就労継続支援などでは、次のような取り組みを行うこととされています

  • 新規開設に伴う地域住民などに対する説明
  • 地域の行事やボランティア活動、防災訓練などへの参加
  • 地域連携推進会議の開催
  • 事業所の情報公表

これらの取り組みは、最終的に利用者さんの日常生活や社会生活に影響してきます
安心・安全な生活環境や職場環境の提供は、事業所の努力だけで叶うものではないからです
地域住民からの助け、地域住民に対する助けというのがあって成り立っているからです


また、防災という面からも地域住民との連携が重要になります
これは、単にご近所さんからの支援を期待するというものではありません

大規模災害となれば、事前の避難、発災直後の救助救命、情報の交換、がれき撤去などの応急復旧など、住民だけ・事業所だけでは対処できないことが山ほど出てきます

そのような場合、事業所も地域住民としてお互いに助け合う “共助” の活動が主体となります
その際、日頃からの交流や相互理解があるかどうかで、円滑な活動ができるかどうかに影響します
発災・被災の現場を目の前に、お互いに理解し合う・親睦を深めようなんてことをしている暇はありませんから


さらに、事業運営を適正・適法に行うためにも地域住民との連携が必要となります

事業所の運営などは、外部から閉鎖的になりがちで周囲から内情が見えづらいことがあります
そのため、内部で起こる事象の察知が遅れたり、地域住民とのトラブルが頻発したりするようなことが懸念されています

その観点からも、地域住民から知っていてもらうことには意義があります

  • 事業運営の透明性を確保することで、外部からでも事案の兆候を察知できる
  • 外部からの視線が、適正な事業運営、良質なサービスの提供という意識向上につながる
  • 事業運営や利用者に対する思い込み・偏見などが起因するトラブルを防止できる

このような目的をもって、グループホームにおける地域連携推進会議の開催が義務化されました(令和6年度は努力義務)
この会議においては、地域住民の参加、事業所施設内の見学などが定められています

以上のことから、事業所(職員と利用者)と地域住民とのお付き合いは、事業運営に必須の取り組みと言えます
また、その結果は、利用者の日常生活や社会生活に反映されますので、地域住民との良好な関係維持が要となります


さて、冒頭に私のご近所さんとのお付き合いに触れました

今現在、私が行っていることは些細なもので、色々な面で不十分だとは思います
でも、私のご近所付き合いは、何かを期待し、結果を得たいから行っているわけではありません

ただ単に、社会で暮らす者として、人と人とのつながりを大切にしたいからです
その原点として、気持ちのいい挨拶ができる心を持ち続けたいとの想いがあります

何らかの支援を要する方々も、自分が大切にしている心や想いを持って、安寧な生活を送ってもらいたいものです
そのためにも、事業者さんの存在と良質なサービスの提供に大いに期待するところです